空間衛生管理システムの開発・製造を行う未来科学(東京都千代田区)は、旅館・ホテルなどの観光業界に対して、昨秋発売した据置型の空間除菌器sterilizAir(ステライザ) シリーズの「行灯型ステライザ」の営業を強化している。
新製品は、高さ420×幅210×奥行き210ミリ、重さ5.1キロとコンパクトでありながら、70平方メートル(53畳)の空間除菌に対応した。
本体に日本伝統の組子模様をあしらい、和のテイストにマッチするデザインに仕上げた。「ステライザを導入している宿泊施設からの要望で製品化に至った」と同社。
ステライザの最大の特徴は、除菌方式に促進酸化法を採用した点。プラズマによって生成された気相活性酸素種(ROSマルチプラズマ)を室内空間に拡散することで、空間に浮遊する菌やウイルスをはじめ、従来の空気清浄機では処理が難しいモノの表面に付着した菌やウイルスを除菌、不活化する。また、強力な消臭効果もある。
「新型コロナウイルスに対しては、日本繊維製品品質技術センターにおいて、国立感染症研究所からの分与株を用い、2時間で99.61%減少した」と話す。
この気相活性酸素種の原料は空気中の酸素や水で、菌やウイルスに作用した後は再び酸素と水に戻るため「人、環境、機器に対し安全安心に使用でき、米国ではオーガニック製品として位置付けられる」という。すでに、国立病院機構をはじめとした医療機関や宿泊施設、海上自衛隊などでも採用され、空間衛生管理に活用されている。
製品ラインアップは、新機種の行灯型をはじめ、100平方メートル(66畳)対応のUSJ―2と10平方メートル(7畳)対応のUSJ―5がある。
行灯型ステライザ